私がサマータイムに反対したい理由

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この数日間で日本のサマータイム導入でせめぎ合いがありました。

以前連載にも書きましたが、日本でも戦後サマータイムが実施された時期があります。しかし、様々な不満が出て中止になったいきさつがあります。

なぜサマータイムを導入する必要があるのか、について推進派は朝の涼しいうちに仕事を始めることによってエネルギーの節約になると言います。また、仕事のあとの余暇時間が増えるので消費が拡大するとも言っています。一方反対派には残業が増えるに違いないという意見が多く見られます。

で、私もサマータイムの導入には反対の意見を持つ一人なのですが、あえて上記の賛成・反対の意見とは別の理由を挙げたいと思います。

それはITの問題です。Windowsはサマータイムに対応できるように作られています。しかし、サマータイムを近年経験していない日本では、「いつからいつまで」と日本版サマータイムが決まっただけではWindowsは何もしてくれません。おそらく日本のサマータイムに対応した修正パッチがWindows Updateで配布されると思われますが、それを想像しただけで顔面蒼白になりそうな話です。あなたが管理するPCやサーバの1台でも未対応の状態でサマータイムを迎えたら、ビジネス的損失はどうなることでしょう。

プログラマは不安になるかもしれません。データベースに格納するレコードの日付時刻がどうなるか。サマータイム開始日は1時間時間を早めるだけなので問題はないかもしれません。でもサマータイム最終日の翌日はどうなるでしょう。想像すると頭が痛くなりそうですが、もしキーに使っていたりしたらたいへんなことが起こることが予想されます。おそらく時刻の調整は深夜に行われるでしょうが、いまどき24時間営業の商売なんてざらですし、工場だってフル稼働です。

もちろんコンピュータはWindowsだけではありません。金融系や政府のシステムが間違いなくサマータイムを迎えて終えることができるでしょうか?思うに、2000年問題以上に深刻な問題のような気がしてなりません。新たなIT需要の創出と考えて経済効果を挙げるかもしれません。しかし現在では2000年時点よりももっとITが広く普及しているのです。

欧州のように高緯度に位置する国々ではサマータイムは有効かもしれません。でも日本はどうでしょう。夏場の日照時間がせいぜい1~2時間長いだけではないですか。また、欧州では多くの国が隣接していて、しかもビジネス的にも繋がりが深いので、隣の国がサマータイムを始めたら自国もサマータイムを導入してビジネスタイムを合わせる必要もあることでしょう。(日本よりも低緯度で赤道に近いメキシコでなぜサマータイムが導入されているのかを考えてみるとよいでしょう)でも日本には関係のない話です。中国も韓国もサマータイムを一時期導入していましたが、今では廃止されています。仮に日本が欧米に合わせてサマータイムを導入したところで、日本の昼間がアメリカの昼間になることはないのです。

日本でのサマータイム導入の機運は数年に一度のペースで生まれています。その度に導入理由が「景気拡大」であったり、今回のように「環境問題」であったりします。今回は法律案提出が中止になりましたが、いつまた火がつくかわかりません。もちろん私もIT業界で飯を食っている人間なので導入が決まってしまったら粛々と準備を始めないといけません。もしかすると引退の準備かもしれませんが :-)

アメリカのベンジャミン・フランクリンがサマータイムを思いついた時代には、時計は一家に一台の時代でした。今は私たちの身の回りに時計が溢れています。

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